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 キララ鍼灸院
円山
札幌市中央区
健康保険  労災保険指定施術所


  お灸で治す、巻き爪と
  扁桃体の過剰興奮、パーキンソン病
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概要

巻き爪の痛みが2~3回のお灸で治ります。 ほぼ100%治る感触を持っています。 巻き爪のお灸の施術法とその効果を説明します。


それと巻き爪が治ると、怒りの感情が静まることを数多く観察しております。
その事実から、巻き爪と感情の重要場所である脳の扁桃体との関連性と検討し、その意味と応用を考えました。

更にその発展として、お灸のパーキンソン病への適用の可能性を検討しました。


検討内容

医師である浅見鉄男先生の井穴刺絡理論あります。 その理論では、井穴刺絡と脳の視床下部に強い関連性があるという仮説があります。 その仮説を出発点として、「足指の巻き爪のお灸」の効果を深堀りしました。

足指の爪が、反応点として脳の扁桃体と関連性があり、足の爪へのお灸で扁桃体の過剰興奮を抑制できる可能性を見出しました。

更にそれを発展させて、足の指先へのお灸が、中脳や脳幹に対する刺激になる可能性を検討しました。 ちなみに中脳はパーキンソン病と関係の深い脳の部位です。 それでお灸のパーキンソン病への適応についても検討しました。



足指の巻き爪のお灸

足の巻き爪の痛みが辛い場合は、お灸が驚くほど効果的です。 巻いている爪の上に直接お灸をします。 1回で痛みが半分以下になり、2回か3回の施術で違和感なく日常生活ができるようになります。



初めての巻き爪のお灸

初めて巻き爪にお灸をしたのは、2015年の夏頃です。 巻き爪を相談されて、考えついたのが、お灸の熱応力を使って、巻き込んでいる爪を伸ばす方法です。


巻き爪テープによる矯正法

当時は、巻き爪テープによる矯正法はありましたが、鍼灸的な手法は見つけることができませでした。 巻き爪の施術は私にとって主の施術ではなく、どちらかというと補助的な治療です。 それでコストを掛けて、矯正テープを新たに買うことをためらいました。 矯正テープを使わないで、鍼灸の中で何かできることはないか考えて、思いついた方法です。



熱応力

巻き爪テープは力学で爪を伸ばす矯正法に対して、同じように伸ばす力を使うのですが、それが熱が発生する力を利用します。 熱応力です。

それが、思いのほか上手くいきました。 一回で痛みが50%程になりました。 数回で普通に生活できるようになりました。

その後、何人の患者さんの巻き爪にお灸をしたのですが、毎回同じ結果です。 軽々しく100%の効果と言ってはいけませんが、それに近い感触を持っております



従来の考え(熱応力利用の仕組み)

これまでは、巻き爪に対するお灸の効果は、爪にかかる熱応力と自分では理解しておりました。

爪上に直接お灸をすると、飽くまで相対的ですが、爪の上側の温度は高く、下側の 温度は低くなります。

爪の下側は肉に接しているので、体の体温による冷却があり、上側と比べて温度は相対的に低くなります。

そうなると熱応力の違いにより、爪は上側に反るように伸びます。 巻き爪の解消です。



もっと深く考える

脳、メンタル疾患、刺絡とそれらに関わる知識が増えるにつれて、施術効果について、より深く検討できるようになってきました。

今回は、巻き爪のお灸の効果や仕組みを熱応力以外の点から再検討をしました。



足の親指の巻き爪

足の巻き爪で痛いのは、だいたい親指です。 お灸をすると巻いている爪が少し伸びて、肉へのくいこみが減りますが、完全に食い込みが治った訳ではありません。 それに関わらず、痛みはほとんど感じなくなります。



肝経の井穴

親指の外側(小指側)は、肝経の井穴があります。 伝統中国医学では、井穴は指の末端にあり脈気の出る所です。 肝経は気の巡りの滞りや怒りの精神状態が現れやすい経絡でもあります。



巻き爪と怒り

巻き爪の症状をお持ちの患者さんに、他者への怒りや自分自身への怒りを感じる ことがあります。

肝経の足の親指に、心にある怒りが、目に見える身体症状として、巻き爪の形となって表れていると考えます。



痛み緩和

巻き爪の痛みの緩和は、巻き爪が作る肉へのくいこみ量の減少によるものです。 それと同時に、お灸により肝経の経絡の気の巡りがよくなり、その結果、怒りの精神状態が緩和したと理解できます。



井穴刺絡との関連と可能性

浅見鉄男先生の井穴刺絡理論では、刺絡で交感神経の過剰興奮の抑制できます。 更に刺絡は、自律神経の中枢の視床下部に対する刺激であるとの仮説があります。

巻き爪へのお灸で、巻き爪の痛みが改善する理由を考えます。 井穴刺絡と同じ く交感神経の過剰興奮の抑制と自律神経の中枢の視床下部に対する刺激と推測されます。



怒りの感情抑制の可能性

巻き爪のお灸は、毎回驚くほど効きます。 身心一如の考えから、もう一つ重要なことは、怒りと言う感情を抑制できた点です。 感情は扁桃体を経由して大脳皮質に展開されます。 扁桃体になにかしらの抑制の刺激を与えることができて、その状態を変えることができたことが、とても大きいことです。



ペンフィールドの脳マップ

ペンフィールドの脳マップを拡大解釈すると、手足の末端、特に足の末端ほど、脳の深部への反応点である可能性が高いです。

巻き爪のお灸の位置は、本来の井穴のツボの位置からは少し外れています。
近いので、ほとんど井穴であるともいえますが、位置的には、巻き爪のツボは井穴より末端になります。

それで、もしかして、視床下部よりも脳の深部に近いところの反応点に対するツボである可能性があります。 爪の井穴が視床下部であるなら、巻き爪の位置はより先にあるので、脳のより深部で、怒り関連の深い扁桃体の可能性があります。



パーキンソン病にお灸

パーキンソン病にお灸が効き、症状のが改善が見込めるという仮説の話です。 足の指の先端にお灸をすると、その刺激により、中脳の黒質でのドーパミン分泌が増えて、症状が改善するのではという話です。



パーキンソン病

パーキンソン病は、中脳の黒質でのドーパミン分泌低下で起こる、原因不明の進行性の病です。 完全に治癒を促す薬と治療法は現在のところありません。

怒りが足爪のお灸で緩和する

足の巻き爪に、お灸が効果的であることは分かりました。 更に心で生まれた怒りの感情(自分に対すると、他人に対する)が、巻き爪を生んでいる可能性も分かりました。 



怒りと脳の偏桃体

怒りの感情は、足の巻き爪がお灸で治ると同時に、静まります。

怒りは、脳の偏桃体と関係が深いです。 足の指の爪にお灸すると、その怒りが収まるということは、お灸により偏桃体に何かの刺激を与えていると考えのが自然です。



足の指の尖端は脳幹や中脳の反応点

上記の話では、足の爪の刺激が脳の扁桃体に届くようです。 次にペンフィールドの脳マップでは、足の末端が脳の深部の部位である可能性が高いと考えられます

足の爪よりも先にある足の指の尖端は、脳の構造を考えると、偏桃体よりも深部にある脳幹や中脳と考えることができます。

そうなると足の指の尖端にお灸をすることで、中脳の黒質に刺激を与えることができるかもしれません。 その刺激により、黒質でのドーパミン分泌が増えると考えています。



大脳皮質基底核変性症

国の指定難病となっている大脳皮質基底核変性症の患者さんの施術経験があります。 原因不明の難病で、根本療法はなく、全て対症療法だけです。 タウ蛋白質の蓄積が見られ、パーキンソン症状が現れます。 


ウィキペディアによると、「大脳基底核は、大脳皮質と視床、脳幹を結びつけている神経核の集まりである」です。

その患者さんの片側の足の親指が知覚過敏でした。 ほんの僅かに触る程度の刺激でも、膝から下が「ビク」と大きく動いていました。

当時は、大脳基底核と足の親指の知覚過敏の関連性に気づきませんでした。 しかしこうして、足の指に脳の反応点があることが分かってくると(仮説です)、いろいろなことが繋がってきます。 パーキンソン症状、タウ蛋白の蓄積もあります。

要は足の指に、脳の深部である視床、脳幹などの反応点があるということが推測されます。



パーキンソン病に足の指の尖端にお灸

この少し上の節で説明しましたように、足の指の尖端は脳幹や中脳の反応点の可能性があります。 そしてパーキンソン病は中脳でのドーパミン分泌の低下で引き起こされます。

その2点から考えると、中脳に刺激を与えると、中脳が活性化されて、ドーパミン分泌が増える可能性が考えられます。

その刺激の方法が、お灸です。 場所は、足の指の尖端になります。

飽くまでも仮定の話ですが、パーキンソン病の患者さんに、足の指の尖端にお灸をすることはありだと思います。



扁桃体が過剰興奮

うつ病になると扁桃体が過剰興奮により肥大します。 元の東北大学の松澤 大樹先生により1990年より前からMRIで確認されています。 大きくなると本来の大きさの2倍まで肥大します。 扁桃体が過剰興奮は、いってみれば、知覚過敏です。 ちょっとした物音や痛みに対する過敏症を作ります。



知覚過敏ではりが打てない

それほど前の事ではありませが、うつ病の患者さんの中に、極端な扁桃体の過剰興奮な人がいました。 その扁桃体の過剰興奮を的確に鎮める手法が見つけることができず苦労しました。極端に言えば、痛み過敏で、普通のはりが打てません。

治療を進めるためには、まず扁桃体の過剰興奮を抑える必要があります。 扁桃体の興奮を鎮めると、漸くはりがしっかり打て、次の段階に進むことができます。


知覚過敏でもハリが打てる

少しハリ施術の技術が進化しました。 痛みを伴わずに、ハリを筋肉の深部のコリまで届くように、打てるようになりました。 知覚過敏の人にも効果的なハリが打てます。 全体の治療期間の短縮が図れます。

更新 (2020/3/5 )



初期の扁桃体の過剰興奮抑制法

その当時は、扁桃体の過剰興奮を抑えるために、刺さない接触針や、穏やかな刺激のお灸などを使っていました。

少しづつ、知覚過敏(扁桃体の過剰興奮)は低減しますが、その速度が遅く、じれったさを感じておりました。

その速度を例えると、亀の歩み以下です。 2ヶ月単位、3ヶ月単位で、ようやく、なんだか体の状態や反応が変わってくる感じです。

その変化は、時を隔てて会う友人、知人には、変化がはっきり分かるものです。 友人、知人からは、「元気になったね」とか「明るくなったね」と声かけされます。

しかし残念なことに、日々の身体の変化が緩やかので、本人がその変化を自覚できにくい点です。

本人から治療効果を認めて頂かないと、施術を行う者にとって、いろいろと厳しいものがあります。


今できること

今では、はり施術に井穴刺絡を組み合わせて使うことで、自律神経失調にかかわる過剰興奮を、従来よりもずっと早く抑えることができるようになりました。

施術開始直後の変化については、変化は施術毎であったり、1週間単位で、身体の反応が変わってきます。 本人もその変化をはっきり自覚できます。


将来の施術法の可能性

今回の巻き爪灸の応用を組み合わせると、更なる扁桃体の過剰興奮の抑制時間の短縮と、井穴刺絡の代替手法としての可能性を感じております。

少しそのヒントを得れたかもしません。 井穴刺絡と合わせて、お灸のうつ病(メンタル疾患)への可能性を図っていきたいと考えています。

同時にパーキンソン病や脳幹の疾患についても、はりとお灸の可能性を追求したいと思っております。

(2019/8/10 )


更新 (2020/1/13 )

更新 (2020/3/05 )