キララ鍼灸院:うつ病治療の実績
2022年の実績
はじめに
キララ鍼灸院のうつ病治療法の「うつ病の標準回復計画」は、2019年の9月に出来ました。運用から3年目の2022年の治療実績をお知らせます。
2022年のうつ病治療の実績の結果
★うつ病の患者数: 11人
★効果あり(正常値になった): 5人/7人 = 71% *1)
★効果なし(正常値にならない): 2人/7人 = 29% *2)
★1月以内に治療を止めた患者数: 4人
2022年は患者さんの71%が正常値になりました。 2021年は78%でした。 前年度と比較すると少し成績が悪くなっています。
コロナ渦中、ウクライナ危機、異常物価高などがあり、患者さんを取り巻く大きな社会変化があり、完治まで治療継続が難しくなっています。
正常値の判定
キララ鍼灸院の治療の効果の確認はベッツうつ病テストの判定値で行います。そのテスト結果が正常値であれば、効果ありと判定します。施術開始(初回テスト)から1月後の2回目のテストです。一人だけは治療の中断し再開後に正常値になり、データの数に入れてあります。
3回目以降のテストは2~3ヶ月毎にベッツうつ病テストを行っています。
その判定で正常値になれば効果ありと判定します。軽度のうつ病と中度のうつ病であれば、1月後で施術回数は4回から6回の時点になります。
効果ありのパーセント計算の対象者
1回や2回で施術を止めたり、初回から1カ月後の2回目のベットうつテスト前に治療に来なくなった人は、計算の対象外です。
うつ病患者さんの内訳
★軽度のうつ病:5人 効果あり1人、効果なし2人、中止2人
★中度のうつ病:4人 効果あり2人、中止2人
★重度のうつ病:1人 効果あり1人
★極度のうつ病:1人 効果あり1人
その他に発達障害の方も来院されましたが、集計には含まれていません。
データの修正 注釈*1) *2)
1)重度のうつ病の方のデータが間違っていました、訂正しました。
2)中度のうつ病の1人の方が治療が中断していましたが、治療を再開して正常値(2点)になりました。ベッツうつテストで2点は素晴らしい点数です。 本当に健康で元気溌剌の人と同じ様な点数です。 うつ病で元気がなかった人が、元気溌剌になった事です。 期間は飛び飛びの施術で8ヶ月で施術回数は10回です。余りに結果が素晴らしいのでデータの集計にいれました。
(データの更新 2023/4/12)
極度のうつ病も治った(特筆する成果)
極度のうつ病の方の治療経過です。
施術開始から2か月後にベッツうつ病テストの判定が正常値になりました。施術回数は12回です。
その方は慢性的なうつ病、全身の慢性疼痛と筋肉の機能障害、PTSD(トラウマ)、慢性アトピーなどの症状がありました。様々な治療を受けた経験を持つプロの患者様です。しかしうつ薬、抗不安薬は飲まれていません。
うつ病テストの正常値の判定後も治療を継続されました。 全身の慢性疼痛と筋肉の機能障害はほぼ解消して健康体になりました。 アトピーも気にならない程度になりました。
今は新たな目標にまい進されています。
PTSD、トラウマも改善した
PTSD、トラウマは難治です。 これまでキララ鍼灸院でも多少の改善はあっても、明らかな効果を引き出す事はできませんでした。
引き続き極度のうつ病の方の治療経過です。
気が付けばその方のPTSDのトラウマのフラッシュバックも起きていません。PTSDに捕らわれる事がなくなり症状は安定しています。
ただし施術回数は30回で,治療期間は8カ月です。
キララ鍼灸院でハリ施術を継続するとPTSDと慢性アトピーが改善できる可能性を感じております。 当然ハリ施術だけでなく健康指導(各種セルフケア法)も行っております。
ハリの効果が無かった(補足説明)
PTSDは少ない施術回数では治り難い
*1) 正常値にならない1人の方は(強度のPTSD+軽度のうつ病)です。施術4回の判定です。
長年の酷い慢性アトピーもありました。仕事は休まず続けていました。仕事中にPTSDのフラッシュバックがほぼ毎日起きていました。
フラッシュバックが起きるとハリの効果が消えてまた筋肉のコリが作られます。
言い訳になりますが、強度のPTSDの改善は施術4回では無理です。
慢性アトピーの改善は本人も認めていましたが、計5回の施術後は治療は中断しています。 もう少し施術を続けさせて欲しかったです。
1次ストレス
もう一人は中度のうつ病の方です。 体調が悪くても仕事を続けていました。
申し訳けありませんが、1次ストレスはハリでは取り除けません。 ハリで治せるのは1次ストレスが作りだす筋肉のコリである2次ストレスです。
うつ病を作りだした原因が仕事のストレスなら、仕事をしながらうつ病を治すには少し時間がかかり、施術回数が増える事の理解をお願いします。
1次ストレスと2次ストレスについてはブログで詳しく説明しております。
詳しくはその記事を読んで下さい。
第3b回 ストレスが筋肉のコリを作る
https://jidaisay.kiraracare.com/2021/05/brainacupuncture3b.html
うつ病治療の課題(パニック症状)
結構の頻度でパニック症状を訴えられる患者さんがいます。
2022年の患者の方で重度のうつ病+パニック症状を持つ患者さんは、うつ病の不安症状は1月で正常値になりました。
その後は脳の血流の改善の維持の為の施術を継続しています。月に1回から2回の施術回数です。
約10ヶ月経ちましたが、不安症状は正常値を保持し続けているのですが、パニック症状が不定期的に生じています。 それが2023年の冬に悪化してしました。
そのパニック症状に対する決定的な理論と施術法がまだ確立できておりません。今、患者様の協力を得て効果的な施術法や理論の確立を目指しています。
2022年のうつ病治療の全体的な感想
2022年は大きな社会変化の荒波(コロナ、ウクライナ危機、異常物価高)を受けました。更にネット集客の効果の低下が相まって2021年と比べて来院患者数は減りました。
患者様の傾向は、単純なうつ病の患者様は少なく、複雑なうつ病の患者さんが多かったです。うつ病+パニック症、PTSD+うつ病などです。
うつ病でも仕事を休まず治療をしようとする方が多かったです。
今まではうつ病になり休職し、安息して治療に集中する方が多かったです。2022年はその余裕がなくなった感じを受けました。
1月以内でうつ病治療を止めてしまう方が多かったです。5人の方がいました。
また最初の1月は最低でも週に1度の治療を連続4回はしないと効果が見込めないのですが、それができない。察するに、激しい社会変化で心理的と経済的に追いこまれて余裕がない。
治療の現場でそのような事を感じた2022年でした。
キララ鍼灸院の今後の課題
ギリギリの状況でキララ鍼灸院を訪ねてこられる患者さんが多いです。
治療家との相性もあるかもしれませんが、背後に治療を継続したくともそれができない様々な理由を察します。
2022年の結果から、継続的に施術を続けて、キララ鍼灸院の指導に従って食事などの生活環境を整えると重度のメンタル疾患も治る可能性が高まります。
しかしどちらかと言えば自由診療であるハリ施術は高額な治療法と言えます。一部の人はできても多くの人はできません。
より早期で効果を出せるように、また無理なく出来るセルフケア法を開発できるように、これからも頑張っていきたいです。
(作成 2023/4/06)