うつ病のコリ理論 うつ病は脳の傷
鍼灸ハリと食事と運動で完治を目指治療
お知らせ:うつ病のコリ理論
(記事追加 2024/2/20)
うつ病の治療法(標準回復計画)が出来て5年6ヶ月です。
今までその理論と治療法に名前がありませんでした。名前をつけました。
「うつ病のコリ理論」です。どうかよろしくお願い致します。
実績と記事一覧メニュー
5年6ヶ月の間の実績とメンタル疾患に関する記事があります。記事一覧メニューがあります。どうぞ読んで下さい。
うつ病治療の実績 2020年-2023年 4年間 詳細はクリック
概要
うつ病は、脳の傷
うつ病は、ストレスにより脳にできた小さな傷が作りだしています。 数多くのMRI画像で確認されている事実です。 この記事の下の方で脳の傷のMRI画像を紹介しています。
その脳の傷が治ると、うつ病も治ります。
キララ鍼灸院には、その脳の傷の回復を促進させる具体的な標準回復計画があります。 標準回復計画を使って、軽度のうつ病は、3ヶ月(施術回数8回)で身体と心の回復を目指します。 実際に治っています。
短期間で、うつ病が治る、希望の持てる治療です。
自然治癒力、脳の神経幹細胞
本来、私達の身体には、自然治癒力があります。 脳の海馬の周辺には、日々生まれている神経幹細胞があります。 神経幹細胞が健やかに成長すると、脳の傷を埋めてくれます。 そしてうつ病が治ります。
自然治癒力を妨げるもの
身体と心の痛み・苦しみは、24時間途絶えることのないストレスとなります。 そのストレスは、脳の神経幹細胞の成長を妨げます。 脳の傷がいつまで治りません。 それで最初に身体と心の痛み・苦しみを鍼灸施術を使って取り除きます。
キララ鍼灸院の治療(標準とカスタマイズ)
キララ鍼灸院には、うつ病(脳の傷)の回復を促進する標準回復計画があります。
一人ひとりの患者様の身体と心は独自で唯一です。 その症状にも多様性があります。 それを踏まえて、それぞれの患者様ごとにカスタマイズされた施術になります。 患者様にとって最適の施術を行います。 標準回復計画が基となります。
1.身体と心の痛み・苦しみを取り除き、自然治癒力を引き出します。
2.身体と心を作っている食事からの栄養の改善を行います。
3.もう一つのエネルギーである呼吸からの酸素摂取量を改善致します。
「促進」と控え目に言っていますが、うつ病から治る為の具体的な治療計画です。 慢性の方、初期の方、重度の方、中度の方、軽度の方、みんな来て下さい。 重度の方は外出が困難で、来院ができないと思います。 その時は、往療します。
鍼灸施術とセルフケア
標準回復計画は、幅広い鍼灸施術とセルフケアで作られています。 セルフケアは、食事、サプリと運動の組み合わせで作られています。
脳の傷を埋める神経幹細胞の成長には、栄養が必要です。
運動は神経幹細胞の成長を促進します。
セルフケアの内容は、どれも具体的で、費用も安価で、無理なく続けられる内容となっています。
セルフケアの個人レッスン
患者様の生活習慣などは、一人ひとりに違いがあります。 それで、それぞれの患者様に合わせたセルフケアを個人レッスンします。
毎回の施術の開始前に、個人レッスンの時間を取っています。
患者様に合った内容と、その場で質問も出来て、理解を深めることができます。
最初の4回くらいで、うつ病の治療に直結する基本のセルフケアの方法をお伝えます。
その後は、その応用編や身体と心の健康の質を高めるセルフケア等について説明します。 例えば、一生使える寝る技術の「キララ式動的マインドフルネス」です。
改善の判定と実績
標準回復計画の進捗と効果は、うつテストの数値で、客観的に判断します。
これまでの実績ですと、だいたい施術を初めてから1ヶ月後には、うつテストの数値が一段階改善します。
例えば、治療開始時と1ヶ月後の変化は
軽いうつ状態 --> 正常に
中程度のうつ状態 --> 軽度のうつ状態に
重度のうつ状態 --> 中程度のうつ病に
治療開始から3ヶ月が経過すると、軽度のうつ病の方は、ほぼ病気が治ります。 治療は終了です。
短期間で改善が実感できます。
病気から脱出ができる、希望が持てるキララ鍼灸院の治療です。
追加 2020/2/1
改善の実績等の追加 2020/6/8
うつ病の鍼灸施術の特徴
施術は、ハリとお灸と刺絡を組み合わせた施術になっております。
最新の脳科学の事実と知識を、伝統的鍼灸で現代風に解釈して、症状に応じて、脳のそれぞれの部位に適切に働きかける数々の手法と技を使っております。
痛い・苦しいを取り除く
ストレスが脳の傷を作ります。 同時に傷の回復を妨げます。 身体の筋肉のコリは大きなストレスとなります。 それが身体と心の痛い・苦しいを作りだしています。 その身体の筋肉のコリをハリ施術で徹底的に取り除きます。
脳の傷の回復を妨げているストレスが取り除けます。 身体の痛み・苦しみが取れると、心の痛み、苦しみも大きく減ります。
脳への血流の改善、身体の血流の改善
首の筋肉のコリを取ると脳への血流が改善されます。 脳での回復が高まります。
慢性的な脳の血流低下が中枢神経変性疾患や精神疾患に関係すると最近の研究でも明らかになっています。*7)
同時に全身の筋肉のコリをとれると代謝がよくなり回復が促進されます。
呼吸が深くなる
肩コリ、肩甲骨周囲りのコリを取ると、肺が広がり呼吸が深くなります。 呼吸毎の酸素摂取量が高まり、身体のエネルギーが高まります。 当然、脳にも増えた酸素がしっかり届きます。
脳が作る不安、脅迫観念等に対する施術
不安、脅迫観念であれば、脳の扁桃体、海馬周辺に作用するツボを使い施術します。 いらだち、怒りを抑えるなら、同じく扁桃体に対するツボを使いますが、施術法を変えて、作用させます。
脳が作る意欲、やる気、闘争等に対する施術
意欲、やる気、闘争などの重要な神経伝達物質であるノルアドレナリンの分泌の中心は脳幹の一部分にあります。*1) その脳幹に作用するツボを使って脳幹に刺激を与えます。 刺激を与えることで、分泌が低下した脳幹の神経細胞が活性化して、ノルアドレナリンの分泌が高まることを目論んでいます。
効果の例
うつ病の患者さんは、全身の筋肉にコリ症状がでています。 特に、首、肩、腰のコリが多いです。 同時に手足の酷い冷えの方が多いです。 体温が低く自然治癒力が低下しております。
治療の開始より1月が過ぎる頃から、施術回数では、4回から6回です、首、肩、腰のコリの7割から8割程が取れます。 それで身体と心の痛みと苦しみが、大きく改善し、消えていきます。 メンタル的には、最初に不安感が少なくなってきます。 軽度のうつ病の方も、中度のうつ病の方も同じように感じます。
また血流が改善して、体温が上昇します。 代謝が向上して、免疫力が高くなり、自然治癒力が高まります。
治療の開始より2カ月から3カ月経つと、睡眠の質が改善します。 睡眠導入剤が要らなくなったり、その量を減らすことができます。
軽度のうつ病の方は、3カ月経つと、ほとんど病気が治ったと感じるようになります。 うつテストでも正常値になっています。 抗不安薬も不要になってきます。
中度と重度のうつ病の方は、断薬の進み具合に依存しますが、うつ症状が大きく低下します。
修正と追加 2020/2/1
効果の例の修正 2020/7/4
標準回復計画の施術回数と期間の目安
標準回復計画の3つの期間(最初の3ヶ月が重要)
標準回復計画の鍼灸施術の期間は、初期、中期、後期の3つの期間に別れています。 初期が1ヶ月間、中期が2ヶ月間で合計3ヶ月間です。 その3ヶ月が、うつ病からの回復を左右する最重要期間です。
身体のコリが取れて身体の状態が安定すれば、施術は後期になります。 精神的にも落ち着いてきます。 現状維持のメンテナンス期間です。 施術の頻度も月に1回程度になります。
時間的負担と経済的な負担の低減
通院にかかる時間的負担と経済的な負担を考えて、できる限り施術の回数を減らしてあります。 キララ鍼灸院の鍼灸技術が進化して、短期間で効率的に効果を作くれるようになりました。
出来るだけ多くの方に、無理なく通院して頂きたいと思っています。 ぜひ3ヶ月、お付き合い下さい。
お支払いは、一括払いではありません
3ヶ月分の一括払いではありません。
施術の都度に、通常の施術料のお支払いになります。
標準施術回数(施術の回数の目安)
1. 初期(集中施術期)1月目: 週に1回で月に4回
全身の筋肉のコリを徹底的に取り除きます。 最初のひと月で全身の8割ほどのコリを取ります。 特に首、肩、肩甲骨周囲、背中、腰です。 遠隔刺激で脳に刺激を伝えます。
中程度から重いうつ病の方は、週に2回の施術をお願いすることもあります。
2. 中期(急速回復期)2-3ヶ月目: 2週に1回で、月に2回になります。
初期の集中施術期で取り切れなかった身体のコリを取ります。 遠隔での脳への刺激も継続します。
中程度から重いうつ病の方は、週に1回の施術をお願いすることもあります。
軽度のうつ病の方は、中期の施術で、治療は終了です。
3.後期(安定回復期)4ヶ月目-6ヶ月目: 月に1回になります。
セルフケアと施術の効果が進み、回復が順調に進むと、安定回復期です。
身体のメンテナンスを兼ねて月に1回程度の頻度で通院をお願いします。
鍼灸施術で手当をしながら、脳の中での傷の回復を待つことになります。 月に1度の施術をして、心身の状態を確認します。
追加 2020/2/1
注意点
うつ病からの回復には、個人差があります。 上記の標準施術回数は、目安としてお考え下さい。
脳に出来た傷ですから、その回復には時間が掛かることは理解して下さい。 時間的には半年から1年です。 傷が大きいと2年ほどかかることもあります。 更に完全には傷が治らずに、傷が残ってしまう場合もあります。
標準回復計画の施術の効果(客観的評価)
ベック式うつテストの判定を使って改善を客観的に判断しています。
鍼灸施術とセルフケアにより脳の傷の回復が順調に進むと、2ヶ月目くらいよりうつ病の状態が、1段階の改善をすることが多いです。
ベック式うつテストの判定で、「重いうつ病」の状態から「中程度のうつ病」になるです。 同様に「中程度のうつ病」であれば、それが「軽いうつ病」の状態となります。
安定回復期の回復は、時間がかかります。 脳の中での傷の回復を待ちます。 変化がゆっくりなので、本人も変化を自覚できないことも多いです。 しかし身近にいる人には、はっきりとした変化が分かります。
修正 2020/2/1
脳の傷の回復について補足
うつ病の脳の傷は、脳の扁桃体にあることが分かっています。
脳の神経細胞網の再配置
扁桃体の傷が治るのは、傷の大きさに依存しますが、最低3ヶ月は必要です。 傷が大きいと6ヶ月、1年、いやもっと時間を要します。
その他に、日々の学習で行われる脳の神経細胞網の再配置は、一般に最低1ヶ月要すると言われています。
施術効果の学習期間
筋肉疾患に対する、初回のはり施術の効果は、普通数日です。 施術を繰り返すことで、脳が、身体のよい状態の学習をして、効果が持続できるようになります。
身体の良い状態の記憶、脳の神経細胞網の再配置には、学習が必要です。 当然一回の施術では、よい状態の学習の定着という点では十分ではありません。
英語の単語を覚えるにも、一回書いただけでは、記憶できません。 何回も繰り返し書いて、記憶を定着させます。
学習の定着には、ある程度の施術回数が必要です。
その点はご理解をお願いいたします。
修正 2020/2/1
標準回復計画のセルフケア
セルフケアによる食事を最重要視しています。 一日にどのようなものを、どれくらいの量を食べる目安があります。 独自に作った薬膳カレーのレシピも提供しています。
ある程度のきつい運動は、うつ病の脳の回復を促進する効果あります。 運動内容は、強度と負荷、頻度についての具体的な計画があります。 しかし患者さんは運動習慣のない方が多いので、最初は散歩から始めて頂きます。
客観的な治癒過程の判断
MRIやPET装置があれば、脳の傷の状態を画像判断できます。 鍼灸ではそこまでの設備はありません。
代わりに、治癒過程の判断を、ベック式うつ病テストとアテネ不眠テストの2つのテストで行っております。 どちらもチェックシート式のテストです。 数値で結果がでます。 数字による客観的な判断ができます。
ベック式うつ状態チェックテスト
主に使っています。 テスト後に数値でうつの状態が判定できます。 「軽いうつ病」、「中程度のうつ病」、「重いうつ病」の3段階の判定レベルがあります。
アテネ不眠尺度
不眠とうつ病とは、関連が強いです。 不眠の改善状況から、うつ病からの回復状態を見ています。 代用特性としてアテネ不眠尺度を使っています。 テスト自体も簡単で、時間もかからず、使い勝手が良いです。
うつ病と脳の詳しい説明は、ここから下です。
うつ病と脳の傷、ストレスが脳の傷を作りだすメカニズム、脳の傷を修復する脳内の神経幹細胞などの最新の科学の発見等を、ここから下で詳しく説明しています。
脳の傷
うつ病は脳にできた傷です。 扁桃体の一部が欠損しています。 元東北大学教授の松澤大樹先生が1990年の前より、数多くの患者さんと数多くの脳のMRI画像で明らにされています。
統合失調症も、同様に脳の扁桃体に傷があります。 場所は少し違います。
うつ病の回復には、傷を引き起こした原因を取り除き、脳にできた傷が癒える必要があります。
キララ鍼灸院の施術は、この科学的事実から出発しております。
うつ病の原因、脳の傷の原因
東北大学教授の松澤大樹先生が、脳の傷(扁桃体の傷)をMRIで確認された当時は、その発生メカニズムは分かっておりません。
それから30年、十分な時間が経過しております。 残念ながら、現時点でも、脳の傷の発生メカニズムは、明確に分かっておりません。
しかし発生メカニズムを説明するような事実が、特に近年いろいろと分かって来ています。
コルチゾールの過剰分必が、海馬を傷つける
ストレスを受けると、身体を守るために抗ストレスホルモンがでます。
過剰なストレスの発生や、連続し途絶えないストレス下では、血中に過剰な抗ストレスホルモが分泌します。 主なものがコルチゾールです。 その過剰コルチゾールが脳の海馬神経を傷害することが明らかになっています。*4)
連続するストレスが、うつ病の原因
連続するストレスが、海馬の委縮や海馬神経の傷を作っております。 扁桃体は海馬の先頭部分の近くにあります。 海馬の先頭部分の傷は、扁桃体の傷とも言えます。 そこに傷ができて、脳の傷となり、うつ病を引き起こしていると考えられます。
連続するストレスとは
1次ストレス
慢性的な長時間労働、睡眠不足、人間関係(家庭内、職場、学校)、肉体の酷使などです。 一番は、孤独です。 これらがうつ病を引き起こす1次ストレスです。
2次ストレス
これらの1次ストレスが、更に首コリ、肩こり、腰痛、身体の冷えなどの痛み、苦しみの症状を引き起こします。 それは24時間途絶えない、2次の慢性ストレスとなります。 症状を加速したり、自然治癒力を妨げます。
脳の傷のMRI図
下の2枚の脳のMRI図は、
書籍「心の病は脳の傷」の著者である
医療ジャーナリストの田辺 功様から特別に許可を頂き、その書籍より転載したものです。 転載を快承して頂いた
田辺 功様 にはこの場を借りて、深くお礼を申し上げます。
脳のうつ病の傷
脳の統合失調症の傷
自然治癒力(自己治癒力)
脳の傷が治るのは、脳内の神経幹細胞による自然治癒力によるものです。
神経幹細胞
どのような細胞にもなることができる神経幹細胞は、脳の海馬や扁桃体の周囲で日々産生されています。 その神経幹細胞が上手く成長すると、脳の傷を埋める脳細胞になります。 人が持つ自然治癒力(自己治癒力)です。
傷が回復しない
扁桃体に傷があったとしても、日々作られている神経幹細胞があるので、傷は治るはずです。 しかし、うつ病をこじらすと、何年も症状が改善しないというのが常です。
扁桃体の傷が治らない理由
理由を考えると2つが考えつきます。
理由1 神経幹細胞の絶対量が少ない。
仮に正常人の神経幹細胞細胞数で1500個/日とします。*2)
原因はわかりませんが、その数が低下してます。
身体が本来の正しい回復状態になれば自然治癒力が高まります。 そして十分な数の神経幹細胞が毎日の産生されます。その数が十分でありません。
十分な数の神経幹細胞細胞数が毎日生まれると、傷が治り始めます。 傷が埋まるには、90日から半年、大きな傷になると1年以上の日数を要すると、松澤大樹先生は述べられています。
反対に、身体が正しい状態になると、90日で軽いうつ病が治るとも言えます。
幹細胞数訂正 2019/11/14
理由2 神経幹細胞の成長を妨げてもの
ストレス下では、神経の成長を促進する神経栄養因子である、脳由来神経栄養因子(BDNF)とグリア細胞由来神経栄養因子が低下します。*3)
またストレスに対抗するために生体が作りだす、抗ストレスホルモンのコルチゾールに長期間さらされると神経細胞の委縮が始まります。*4)
神経幹細胞は、細胞の卵や赤ちゃんなようなものです。 弱いので、ちょっとストレスが長時間続いてだけで、すぐに死んでしまい、傷の埋める神経細胞までに成長しないといったイメージです。
理由補足 タウ蛋白質
アルツハイマー型認知症では、海馬にタウ蛋白質が蓄積して、それが海馬の神経細胞の自死を引き起こしていることが、最近の研究で分かっています。
更にすごいことは、海馬のタウ蛋白質の蓄積を取り除くと、海馬の損傷が回復し、認知能力が改善することも、マウスの実験で分かっています。 認知症の回復の可能性を示しています。*5)
ちなみにアルツハイマー型認知症と関係が深いと、言われ続けている脳内蛋白質のアミロイドベータは、認知症になった後に、蓄積を取り除いても、認知能力の改善までは、いかないことが分かっています。
アルツハイマー型認知症の薬として、アミロイドベータに働きかける数々の薬が、治験において100戦全敗と言われるゆえんです。
要するに、タウ蛋白質が、海馬の損傷を引き起こしてアルツハイマー型認知症を作っている可能性が高いです。
神経幹細胞が治す
アルツハイマー症は、海馬のタウ蛋白質を取り除けれなければ、話は始まりません。 しかし重要な点は、神経幹細胞の活動を高めることができれば、海馬の周囲で産生される神経幹細胞の働きで、海馬の損傷が回復して認知症が改善するということです。
神経幹細胞が海馬の損傷を治すのであれば、海馬の尖端に位置する扁桃体の傷も同様に回復することを暗示しています。
扁桃体の傷の大きさ
扁桃体の傷の大きさを、見積もってみました。
扁桃体の傷の大きさ、神経細胞数換算で表したデータなどは、存在しないと思います。 それで元東北大学教授の松澤大樹先生の脳の傷のMRIを元に、私が推測します。 1枚のMRIでは面積は分かりますが、深さ方向である体積までは分かりません。
あえて推測すると、扁桃の損傷率は、面積では20%から30%とします。 深さ方向は、面積の半分の10%から15%とします。 すると全体の扁桃体の損傷率は、2%から4.5%となります。
正常人の扁桃体の神経細胞数を、1千300万個とします。*6)
そうなると、大うつの傷の大きさは、神経細胞数で、26万個から60万個となります。
その数字の意味するところは、今の私にはわかりません。 分かれば、別の機会にお知らせ致します。
日々生まれる神経幹細胞の数を計算
日々生まれる神経幹細胞の数を逆算で求めます。 一つの仮定です。
大うつの傷の神経幹細胞数が26万個とすると、1年でそれが治ると
26万個 ÷ 356日 = 712 個/日
毎日、神経幹細胞数が712個が扁桃体周囲(海馬を含め)で生まれ、それが全て成長すると、大うつの扁桃体の傷が治ると言えます。
軽いうつ傷の神経細胞数を10万個とします。 それが90日で治るなら、
10万個 ÷ 90日 = 1111 個/日
海馬の歯状核の神経幹細胞は、約1500個です。*2) 日々生まれる数ではありません。 その数との関係性は、分かりません。 それと私は、神経幹細胞の細胞分裂による増殖のことは勉強不足で分かっておりません。
しかし幹細胞をイメージに置くと、なんとなくもっともらしい数字のようにも感じます。
上記の数字が、どのような意味を持つか、今後少しづつ調べていきたいと思います。
2019/11/14 追加
鍼灸の役割1 脳の傷の回復を高める
鍼灸の一番大きな働きは、脳内の神経幹細胞による自然治癒力を高めます。
上で記載した「扁桃体の傷が治るメカニズム」の原因の検討から対策を考えます。
「理由1 神経幹細胞の絶対量が少ない」を改善
脳への血流を高める。
体温が低下していたら、体温を高めて、体全体の代謝を高めます。
体温は3ヶ月から6ヶ月で36.5度になるような目標で行います。
「理由2 神経幹細胞の成長を妨げてもの」を改善
途切れることなく続く筋肉のコリ、痛み、冷えなどの不快感は、大きなストレスになります。 抗ストレスホルモンのコルチゾールが長期間出ている状態です。 神経細胞の委縮が始まります。 同時に神経幹細胞も自死していると考えています。
それらの痛み、不快感を取り除くことで、コルチゾールの長期分泌を取り除きます。
鍼灸の役割2 記憶の修正
食事、運動を含めたセルフケアと鍼灸によるお手当で、脳の扁桃体の傷は、神経幹細胞による自然治癒力により治っていきます。
本当の治癒を目指すには、脳の悪い記憶の修正や書き換えも必要となってきます。
この事に関しては、後日別テーマで記載します。
鍼灸のアプローチ
心身一如
東洋医学では、感情と身体は表裏一体で、切り離すことができません。 心身一如という考えです。 身体を治せば、心も治るという理論です。 心を治すには、目で見てはっきりわかる身体の不調を鍼灸で治します。
言葉が変えれば、心も変わり、そして身体も変わるという考えも、心身一如の別の一面を表現しています。 しかしキララ鍼灸院では、言葉からのアプローチは主ではありません。
身体からアプローチ
キララ鍼灸院では、実態が掴みどころのない言葉や心ではなく、具体的な身体からアプローチしております。 現時点では、施術後の変化が目で見て分かり、施術の進行状況を客観的に判断し易い理由からです。
自然治癒力を促進する鍼灸施術
1. 身体のコリと冷えをとる施術
首の強いコリ、ひどい肩こり、腰痛、頭痛、ひどい冷え(特に手足の指)には、はり、お灸、刺絡を複合的に使ってとります。
3点に注力しています。
● 首のコリを取ります
脳への血流のIN/OUTと脳からの老廃物の排泄を改善します。
結果:施術直後より、コリが取れて、首が温かくなり、血流が改善されます。
● 足の指の冷えを取ります。
ほぼ全員といっていいほど体全体が冷えています。 特に手足の指が冷え切っています。 特に足の指の冷えが取れるにつれて、身体全体がポカポカしてきます。 回復に向けての代謝が高まるので、足の指の冷えの改善を重要視しています。
結果:施術直後より、足の指を含め足の甲が温かくなります。 その効果がずっと持続します。
● 全身のコリや痛み冷えを取ります
慢性的な痛み、しびれ、違和感が、24時間途切れることのないストレスを作りだしています。 慢性的なストレスが生み出す過剰コルチゾールが、長時間と量でもって、海馬と海馬周辺の脳細胞の委縮(細胞死)を引き起こします。 脳の傷を治す脳神経幹細胞も、その影響を受けていると私は考えています。
全身のコリ、痛み、冷えを取り除くと、24時間休みなく身体に掛かっていたストレスを大きく低減できます。 それにより脳内で発生し、脳細胞を傷つける過剰な抗ストレスホルモンのコルチゾールが減ります。
脳神経幹細胞が成長しやすい環境となり、その成長で扁桃体の傷が埋まると考えています。
2. 脳(視床下部、扁桃体等)に刺激を与える施術
間接的な刺激になりますが、脳の視床下部、扁桃体を狙い刺激を送ります。
刺絡とお灸で行います。
視床下部は自律神経の中枢です。
扁桃体は感情に関わるところで、うつ病では過剰興奮しています。
結果:施術直後より、不思議なことに、感情である不安感が、直ちに消えます。
その効果は、残念ながらまだ短期間です。
3. 不眠を改善します
伝統的なお灸を行います。
お灸で交感神経の過剰興奮を取り除きます。 脳のグリア細胞の体積を増加させるノルアドレナリンの分泌を低下させます。 同時に睡眠のコントロールの中枢である脳の視床下部に対する穏やかな刺激を長時間与えます。
よい睡眠は、脳内老廃物の排泄能力と脳の修復機能が高まります。
理由は、睡眠中は間質腔が60%以上広くなり、脳脊髄液から水が流れだし、老廃物の排泄率が高まります。
脳脊髄液が脳内の不純物を洗い流すという考えは、2013年のサイエンス誌にロチェスター大学のMaiken Nedergaard博士がGlymphatic systemという考えの中で提唱されました。
結果として脳の回復を促します。
結果:施術当日は、よく寝れます。 例外もあるかもしれませんが、不眠が主訴でなく、付随症状であれば、2回か3回か不眠の施術をすると、不眠症状は消える可能性が高いです。 少し歯切れが悪く申し訳けありません。
注釈: 情報源のホームページ、参考文献
青色の太文字をクリックすると情報源のホームページに飛びます。
1) ノルアドレナリンの分泌が多い脳内の場所
脳科学辞典の内容の抜粋
橋にある青斑核にノルアドレナリン作動性神経細胞が多く存在し、そこからほぼ脳全域に投射している。中枢神経系ノルアドレナリンは覚醒-睡眠やストレスに関する働きをし、注意、記憶や学習などにも影響すると考えられている。
2) 日々新生される神経幹細胞の数
一日に新生される神経幹細胞の数は、一度はどこかで目にしましたが、その情報源を再度見つけることができませんでした。
脳神経外科医の川堀真人先生のホームページには、一日に新生される数までは不明ですが、成人の神経幹細胞数を知ることができるグラフが載っています。
そのグラフで神経幹細胞の数を、私が読みとると:
神経幹細胞の数は、海馬の歯状核の前・中・後でそれぞれ500個位です。 全体で大体1500個くらいです。
歯状核の前部では、かなり分化が進んだ細胞は、加齢よる数の減少があります。
中・後では加齢よる減少はほぼ無しです。
面白いことに、1番幼弱な神経芽細胞数(赤ちゃんの人数のようなもの)は、加齢よる減少が少ないです。
これは、高齢でも、多少の数の減少がありますが、幹細胞の数は若い時と同じように生まれています。 残念なことに、加齢により、それが育ちにくくなることを示しています。
逆に考えれば、加齢により育ちにくくなるなら、育ち易い環境を作ってあげるだけでいいわけです。 食事による動脈硬化の改善、運動により脳由来神経栄養因子(BDNF)を高めれば若い時と同じように、幹細胞が育つ可能性を暗示しています。元気が出るデータです。
3)脳由来神経栄養因子(BDNF)とグリア細胞由来神経栄養因子の低下
日本生物学的精神医学会誌 22 巻 2 号からの抜粋
神経可塑性仮説では,ストレスへの曝露がコルチゾール分泌促進を介して脳由来神経栄養因子(BDNF)をはじめとする神経由来因子の産生を低下させ,特に海馬
(CA1,CA3,顆粒細胞層)や前頭皮質などでの神経新生を減少させると考える。
4) コルチゾールに長期間さらされると神経細胞が委縮する
脳科学辞典の内容の抜粋
海馬は大脳辺縁系の一部で、記憶・学習能力に関わる脳部位である。海馬はストレスに対して非常に脆弱であるとされ、心理的・肉体的ストレスの負荷により長期間コルチゾールに曝露されると神経細胞の萎縮を引き起こす。
5) アルツハイマー型認知症の病態の回復可能性が実験モデルで明らかに
国立精神・神経医療研究センターの2017年1月31日プレスリリースからの抜粋
アルツハイマー型認知症の発症に大きく関わるアミロイドベータタンパク質(Aβ)の集合体(Aβオリゴマー)によって引き起こされるタウ異常を含む神経細胞の異常な変化が、Aβオリゴマーを除去することによって回復しうることを、実験モデル系を用いて初めて明らかにしました。
理化学研究所 2019年6月4日報道発表資料からの抜粋
CAPONがタウタンパク質と結合することを見いだしました。そして、ヒトのアミロイド病理を再現するモデルマウスの脳でCAPONを強制発現させると、タウ病理と神経細胞死に伴う脳の萎縮が促進されること、逆に、タウ病理と神経細胞死を再現するモデルマウスでCAPON遺伝子を欠損させると、脳の萎縮が抑制されることが明らかになりました。このことから、CAPONはアミロイド病理下において、タウ病理、神経細胞死を誘導する重要な因子であると考えられます。
6) 扁桃体の神経細胞数
オール・アバウト・サイエンス・ジャパン: 自閉症では成長とともに扁桃体神経細胞の減少がみられる(米国アカデミー紀要オンライン掲載論文)2018年3月29日のホームページ記事から抜粋
オリジナル論文は、Neuron numbers increase in the human amygdala from birth to adulthood, but not in autism
Thomas A. Avino, Nicole Barger, Martha V. Vargas, Erin L. Carlson, David G. Amaral, Melissa D. Bauman, and Cynthia M. Schumann
PNAS April 3, 2018 115 (14) 3710-3715; first published March 20, 2018
正常人の場合扁桃体細胞数は50歳に至るまで増加を続け、最初1千100万個だったのが、1千300万個にまで増加する。普通神経細胞は増殖しないとされているので、扁桃体は全くの例外であることがわかる。一方自閉症症例では、最初(2歳齢)は1千200万個と正常より10%近く多いのに、その後は減少を続け、40歳では1千万個と20%近く減少してしまう。
7) 脳の血流低下が中枢神経変性疾患や精神疾患に関係する
「Journal of Neuroscience」日本時間2018年3月9日掲載
京都大学大学院薬学研究科 白川 久志准教授
慢性的かつ軽度に脳の血流量を低下させた病態モデルでは、脳の免疫細胞であるミクログリアの活性化や、中枢神経系の過剰な炎症(脳内炎症)、神経軸索と髄鞘が密集している白質部分の傷害が観察され、認知機能障害が起こっていることがわかりました。
慢性脳低灌流状態から認知機能障害に至る病態メカニズムは、アルツハイマー病や血管性認知症をはじめとする認知症はもちろんのこと、他の中枢神経変性疾患や精神疾患にも共通していることが示されており。
作成 2019/8/26
注釈:情報源の追加 2019/9/29
注釈:情報源の追加 2019/11/14
概要等の追加 2020/2/1
参考文献7の追加 2020/3/16
理論に名前をつけました 2024/2/20
表示のメンテナンス 2024/2/20