鍼灸でトラウマ、PTSD,うつ病を施術する
第12回 強迫性障害
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はじめに
強迫性障害を、「鍼灸でトラウマ、PTSD,うつ病を施術する」のこれまでの解説を基に分析します。 特に「第11回 自分の最も深い恐れ」の考えからその原因を、自分なりに考えました。
原因が分かれば、それに対する解決法もおのずと明らかになります。 具体的な解決方法を示します。
例によって、お金を掛かけずできる、セルフケアの方法をお伝えします。 解説の文章が長くなったので、今回は解決方法の概要だけです。 詳細は次回で説明します。
強迫性障害の原因
私が考える、強迫性障害の原因は、大きく2つあります。
「拒絶される予感」と「繋がれない自分」です。
拒絶される予感
私達は、やはり哺乳類の一種なので、群れを作り、繋がりを求めます。
その繋がりや群れからの拒絶、正しくは「拒絶される予感」が、脅迫観念を作りだしています。 予感は、潜在意識が作り出しています。
繋がれない自分
群れと繋がれない自分があります。 群れに入れていません。 群れに守られていないので、強烈で途切れることのない不安が生まれています。
自分のマイナスを否定
途切れることない不安は、自己否定から生まれています。 それも自分のマイナス面の否定です。
自分のマイナス面の否定をすると、自分以外のマイナス面も見えなくなります。 視野が狭まり、群れのプラスの面しか見えません。
その良く見えている群れに、都合よく、自分のプラス面の半分だけで繋がったとします。 しかし、繋がった後には、否定しても切り離せないマイナス面がついて来ます。
そうなると、良い面だけを見せて群れに上手く入れたと思い込んでいるので、マイナスを持つ自分は、そこに沿ぐいません。 それで排除の危険性を感じます。 無限ループの始まりです。
無限ループ
群れに繋がる場合の流れです。
繋がるー>マイナスがついてくる->排除を感じるー>不安の解消(マイナスを否定する)ー>
ー>再度繋がるー>マイナスがついてくる->排除を感じるー>不安の解消(マイナスを否定する)ー>
正に強迫性障害そのものです。
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Photo by Daria Shevtsova from Pexels
代表的な強迫性障害の解釈
手を洗う
例えば、強迫性障害の40%-45%が汚染の心配からの過剰掃除や洗浄です。 これは、手が汚いと嫌われて、仲間から外れになるという予感で説明できます。
汚れている自分は、汚いといわれ、群れから排除される危険性や、群れにいれて貰えないことを感知しています。 汚れている限り、群れに属せないと考えてしまいます。 それで駆り立てられるように手を洗います。
手の汚れさえ取れれば、群れに属せると考えています。 しかし手の汚れの洗浄は、「自分の嫌なところの否定」を単に象徴的に表しているだけですし、具体例の一つに過ぎません。
手の汚れが取れたとしても、自分の嫌なところは、それ以外にいっぱいあります。 結果的に、取れない汚れを取り続けることになります。
もっとも汚れに関係なく、自己肯定感がないので、それが不安と孤独を生んでいます。
鍵をかける
「外出時に鍵がかっているか何回も確認してしまう」場合は、どこにも所属意識がなく、孤独であるので、強烈で継続的な不安感があります。 守られていない感覚が強いです。
せめてというか、唯一の自分自身を守る手段が、家のカギです。 そのカギが開いていると、敵が侵入してきて、生物的な危機を迎えます。 それで、ガキを確認する毎に、不安が一時的に低下します。 それも繰り返し行動を駆り立てる要因の一つです。
潜在意識に刻まれた記憶
拒絶される予感あるいは予測は、潜在意識に刻まれた記憶が作っています。 同時に身体に刻まれた記憶からも予測が生まれています。
潜在意識の記憶は、今まで生きた来て、感じ、体験した全てのことです。 どちらかと言えば悪い記憶が多いです。 その結果、悪い未来を予測してしまいます。
情動の記憶
記憶といえば普通は海馬ですが、トラウマの記憶は、脳内に広く分布して記憶されます。 トラウマは、強い感情(情動)を伴う事柄です。 それは断片化した情動を伴う映像、音声の記憶になります。
トラウマの記憶と同じように、トラウマほど衝撃的な体験でなくとも、情動(感情)を伴う事柄は、記憶に留まり易いです。 潜在意識の記憶にです。
嫌な記憶、悪い記憶を作る日常の習慣
潜在意識に刻まれた、嫌な記憶、悪い記憶が予測の材料になります。 その材料が強迫観念を作りだしています。
ここが重要になりますが、その嫌な記憶、悪い記憶は日常の習慣で作られます。
自分の嫌な部分の否定
自分の嫌な部分の否定する習慣があります。 嫌な部分を否定しても、嫌な部分があるのは事実です。 それは潜在意識もしっかり認識しています。
その自分のマイナス面を否定すると、それは自分の存在の否定に繋がります。 そうなると、群れの中に、そんな自分は存在してはいけないと感じ、大きな不安の情動が生まれます。 強い情動を伴う事柄は記憶されやすいので、潜在意識の記憶として、しっかり残ります。
他人との比較
また他人を見るたびに、自分との比較する習慣があります。 特に自分より優れたと感じる人を見ると、マイナスの感情が生まれます。 その感情がマイナスの記憶を作り上げて、潜在意識の悪い記憶が強化されていきます。
分析のまとめ
要因のまとめ
ここまで、強迫性障害を作りだしている原因が明確になりました。
更に、それを作りだしている潜在意識の存在も分かりました。
その悪い記憶の潜在意識を作りだしている日々の習慣があることもわかりました。
知恵を絞りだす
強迫性障害の具体的な改善方法を示す為に、これまで結果を深く検討を行いました。 ガンバって、知恵を絞りだしました。
私の考えでは、3つのシンプルの日々の習慣を変えることができれば、強迫性障害を改善できる可能性が高いことが分かりました。
今回はその概要をお伝え致します。
強迫性障害の改善方法
自分の嫌な部分を受け入れる
強迫性障害の改善方法は、自分の嫌な部分を受け入れることです。
自分の嫌な部分の否定する習慣を止めることです。
他人と比較しない
他人と比較する度に、悪い感情が生まれて、マイナスの記憶が強化されます。 それで、他人と比較する習慣を止めます。
潜在意識に良い記憶を作る
小さい達成を、積み重ねます。 それにより、喜びの感情で、良い記憶を構築します。
次回に詳細を掲載
話が長くなりました。 詳細は、次回で説明します。
(2018/12/2)
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