コロナウイルス、インフルエンザ、ガン
のセルフケア
亜鉛不足を解消して免疫を高める
概要
体内の亜鉛の不足を解消して免疫を高めます。
1.コロナウイルスなどの予防や回復には、免疫力が重要です。
体内の亜鉛が不足すると免疫力が低下します。 不足した亜鉛を補うと免疫力は回復します。*1)
2.更に亜鉛は生命維持のタンパク合成に重要な栄養素です。*2)
例えば、コロナウイルスによる肺炎で、傷ついて死んでしまった肺の細胞の修復には、亜鉛が必要です。
3.多くの人の普段の食生活では、亜鉛は不足がちな栄養素です。*3)
日々の食材で、亜鉛の多いのは、牡蠣くらいしかありません。
牡蠣は毎日食べれません。
更に厚生労働省からの情報によると、特に高齢者の 20~25%で亜鉛摂取量が依然として不適正であることが判明しています。 *3) コロナウイルスで重症化するのは、高齢者が多いです。 高齢者は基礎疾患もあり、免疫力が低下しているから重症化すると言われています。
であるなら、亜鉛の摂取を高めて、免疫力を高めることは得策と考えています。
4.亜鉛欠乏になると、味覚障害が現れます。*1)
コロナウイルスの症状の1つです。
味覚の感覚の舌は亜鉛消費の多いところです。 体内からの亜鉛不足の通知が分かるのが味覚です。 身体が亜鉛を欲しています。
以上の4つの理由により、体内の亜鉛不足を解消します。
体内の亜鉛をサプリメントで補います。 または牡蠣を食べて補います。
あたり前田のクラッカー
コロナウイルスの感染予防には、栄養のバランスの取れた食事、良質で十分な睡眠時間、適度の運動、そして社会的距離を保つ。
そんなことは「あたり前田のクラッカー」です。 誰もが感じていることです。 もう少し踏み込んだ具体的な話や提案を欲しているのです。
「自分の身を守る為に、何か自分で出来ることで、もう一つ、有効な方法が欲しい。」という方が多いと思います。
その答えの一つが亜鉛のサプリメントか牡蠣の摂取になります。
健康に気を使い、毎日の食事内容に気を使っていても、案外不足がちな栄養が亜鉛です。
コストとお手軽さを考えると、亜鉛のサプリメントが一番費用対効果のある方法と考えています。
あたり前田のクラッカーの内容追加 2020/05/27
亜鉛のサプリメント摂取方法
1日1回夕食直後
1日1回夕食直後にサプリメント1錠(1錠で亜鉛10㎎)を飲みます。
サプリメントメーカーの目安量です。
日本人の食事摂取基準によると成人男性の推奨摂取量が11㎎/日です。
成人女性は8㎎/日です。*4)
サプリメントは必ず食後に飲みます。 いろいろな食べ物の栄養素との連続反応で、体内に吸収されます。 空腹時に単独で飲んでも効果は薄いと考えています。
期間
亜鉛の過剰摂取もまた問題になります。
一つの目安として、最大1ヶ月です。
症状が出てから飲む場合は、数日飲んで症状に改善がない場合は、様子を見ながら1週間飲んで、その時点で効果がなければ、服用を止めて医療機関等に相談して下さい。
また症状が消えたら飲む必要はありません。
亜鉛の過剰摂取
毎日100㎎の亜鉛サプリメントを毎日10年飲み続けて、亜鉛の過剰摂取になった症例があります。*5)
上記は極端な例です。
別の見方をすると、毎日100㎎が10年で発病するのなら、1日10㎎(1錠)で数か月の場合は、ほぼ発病しないと言えます。 医学的なリスクは極めて低いと言えます。
お医者さんは、亜鉛不足の場合は、1日30㎎から40㎎を処方されます。*8)
しかしここで紹介しているのは、病院の薬の処方ではなく、市販のサプリメントによるセルフケアの方法です。 その為に安全第一をお願いします。 サプリメントメーカーの目安量、1日1錠(10㎎)の範囲で、更に短期間の服用でお願いします。
体調の悪化
セルフケアのサプリメントを飲んで体調の悪化を感じたら服用を止めて下さい。
必要に応じて、病院を受診してください。
亜鉛サプリメント:ネイチャーメイドの亜鉛
私も使っていますし、患者さんにも勧めております。
理由は亜鉛以外の成分が入っていない。
セレン入りや銅入りの亜鉛サプリメントがあります。 その様なサプリメントは私は使いません。 理由は、私はセレンの効果を知りません。 知らない事には手を出しません。
銅は普通の食生活で十分に足りています。 それ以上に摂取すると過剰の危険性がでてきます。 また長期的には、銅は脳の海馬周辺に蓄積されて、認知症を引き起こす原因の1つと言われています。 認知症では、反対に海馬周辺の亜鉛量は低下しています。 亜鉛は銅の排泄を高めてくれます。 ですから銅の入ったサプリメントは使いません。亜鉛だけで十分です。
近くのドラッグストアーで安価で入手できる。
1錠当たり13円程ですので、毎日飲んでも1月で400円程度です。
ちなみにネイチャーメイドと販売店とは一切利害関係はありません。
亜鉛サプリメントがブームになり、転売による商品の価格の上昇や入手困難な状況だけは困ります。
やるだけの価値はあるか?
費用(1月で400円程度)、期待できる成果(免疫力アップで症状があれば消えて治る)、リスク(ほぼなし)を総合的に考えるとやるだけの価値はあると考えています。
亜鉛の多い食材
牡蠣
亜鉛の多い食材は牡蠣です。 それ以外の食材は少ないです。 理解し易いように、少し大げさに言います。 普段の食事で、牡蠣を毎日食べると、体内の亜鉛量が基準を満たすような感じです。
私の中でも、牡蠣は高級食材です。 毎日は、ちょっと手が出にくい食材です。 それでどうしても亜鉛は不足がちな栄養素となっています。
摂取基準
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、成人男子の推奨は11㎎/日。
女性は8㎎/日です。*4)
亜鉛の許容上限摂取量
成人男性、女性共に、許容上限摂取量は40㎎/日。*7)
いろいろな食材の亜鉛
牡蠣を100g食べて、ようやく14.5㎎です。
牛の赤身は、4.8㎎/100gです。 和牛サーロインは、2.8㎎/100gです。*6)
ヘルシーな鶏肉は、鶏もも皮つきで1.6mg/100g。
煮干し 7㎎/100g。一見多そうですが *6)
煮干し1匹は1g程なので、100匹食べてようやく7㎎です。
現実的ではありません。
健康に良いω3の油の多いサバは、少ないです。 1.1㎎/100g。
ゴマ大さじ一杯(9g)で3㎎です。 カマンベールチーズ 2.8mg/100g。*6)
牡蠣以外で亜鉛の摂取は難しいことが分かります。
牡蠣で亜鉛を補充する
本当はサプリメントで亜鉛をするのでなく、天然の牡蠣を食べることで、日々の食事として亜鉛のを行うことが一番です。
牡蠣の食べる量
牡蠣のむき身を20gとすると、女性なら3個、男性であれば4個食べれば一日の摂取量となります。
ボリュームあるメインのおかずで牡蠣を食べるとなると食材の金額は高くなります。 しかし亜鉛を補充する目的の副総菜として食べる分には、経済的にいける気がします。
新鮮な牡蠣の生食は最高です。
牡蠣を食べることができる人は積極的に食べて下さい。
毎日です。 治るまでか、最大1月です。
牡蠣の食べ過ぎ
自然食材の牡蠣でも亜鉛過剰になり、銅の欠乏症になった症例があります。*8)
著しい偏食(牡蠣を一日15個)を5 年以上継続して発病しました。
牡蠣からの亜鉛摂取は約40 mg/ 日です。 牡蠣以外からも亜鉛を摂取して、合計亜鉛摂取量は約70 mg/ 日です。 食べ過ぎです。
ほどほどでお願いします。
コロナウイルスの味覚障害を引き起こす原因の仮説
ここからは、今回の内容を補足する理論です。エビデンスのない私見です。
味覚障害を引き起こす原因の仮説の概要
コロナウイルスは感染した細胞内で短時間で爆発的増殖します。 1つのコロナウイルスの増殖毎に亜鉛イオンを数個から数十個消費します。*2)
一般のウイルス粒子はひとつの細胞から約1000個作り出され、体内に侵入してから24時間後には1万個ものウイルスが発生すると言われています。 *9) コロナウイルスは、一般のウイルスと比べて細胞が大きので、若干少ない数になると思います。
更にコロナウイルスに感染して死んだ細胞部分の埋める正常細胞の分裂にも亜鉛の大量消費が始まります。
その結果、体内の血液循環中の亜鉛が急速に枯渇して、特に亜鉛の消費の多い舌の味蕾で亜鉛欠乏症が生じます。 その亜鉛欠乏により味覚障害が生じているのではないかと推測しています。
インフルエンザウイルスでも同じことが起こります。
コロナウイルスの軽症者に多い味覚障害と
亜鉛の関係
コロナウイルスの細胞内増殖には、亜鉛が必要です。 コロナウイルスのRNA遺伝子の情報を元に、細胞内でタンパク質合成されてコロナウイルスが作られます。 亜鉛が無ければ、コロナウイルスは作られません。
亜鉛が欠乏すれば細胞内でコロナウイルスが増殖が低下します。 それと
コロナウイルスの軽症者に多い味覚障害こともあり、一見、亜鉛欠乏がコロナウイルス重症化の予防に有効のような気がします。
しかし亜鉛は、免疫力や生命維持のタンパク合成に重要な栄養素です。 例えばコロナウイルスの感染により死んだ肺の上皮細胞の修復には亜鉛が必要です。 骨髄での白血球を作りだすことにも亜鉛は必要です。 免疫力も低下します。
やはり、亜鉛は体内では、適正量は必要です。 体内亜鉛の低下は免疫力の低下を招きます。
コロナウイルスの軽症者に多い味覚障害の理由は、「もともと亜鉛不足であった方で、若く体力があった方」と考えています。 その人が、コロナウイルスの感染すると、亜鉛の急激な消費により味覚障害になりました。 しかし若く体力もあったので、軽症であったと考えています。
追加 2020/05/27
注釈: 情報源のホームページ、参考文献
青色の太文字をクリックすると情報源のホームページに飛びます。
1) 亜鉛不足は免疫力が低下する
亜鉛欠乏症の診療指針 2018編集
一般社団法人 日本臨床栄養学会
亜鉛欠乏はTh1およびTh2機能のインバランスを引き起こす。 IFN-γ,IL-2の産生が減少する。 マクロファージ・好中球の機能,ナチュラルキラー細胞活性,補体活性を低下させると言われており,易感染性になる。
特に小児において下痢を引き起こす感染症などに対する易感染性が生じる。 亜鉛欠乏を呈する長期入院高齢患者では感染症に罹患しやすく感染に対する抵抗性が減弱し重症化する。
易感染性易感染性に対しては,低亜鉛血症を呈する重症心身障害者や高齢者に亜鉛30 ~ 45mg/日を投与し,血清亜鉛値の有意な増加と感染症罹患率の低下が見られたと報告されている。
2) 亜鉛はタンパク合成に重要な栄養素です
細胞内のRNAコロナウイルスの増殖にも亜鉛は消費されます
ジンクフィンガー(Zinc Fingers)2007年3月の記事
日本蛋白質構造データバンクPDBより抜粋
私たちの細胞はタンパク質折りたたみを簡略に行うため亜鉛イオン(zinc ion)をよく使う。タンパク質は、鎖の中にある2つシステインと2つのヒスチジンをお互い接近させて亜鉛イオンをつかみ、その周りに堅く折りたたまれる。このようなタンパク質はジンクフィンガー(zinc finger、亜鉛の指)と呼ばれる。20個から30個の短いアミノ酸の鎖が、十分堅くて安定な構造を作り出す。
転写因子TFIIIAはリボソームRNA遺伝子の転写制御を助けている。
リボソームRNA自身にも結合した TFIIIA で、2つのPDBエントリー で見ることができる(PDBエントリー 1un6とPDBエントリー 2hgh、図示しているのは前者)。この構造には、9つあるジンクフィンガーのうち3つ(青)と、それにくっついた小さいリボソームRNAの断片(赤)が含まれる。
高齢者の亜鉛摂取量はぎりぎりであることが示唆されている。 NHANES IIIデータを分析した結果、60歳以上の成人の35~45%で、亜鉛摂取量が高齢女性の推定平均所要量6.8 mg/日、高齢男性の推定平均所要量9.4 mg/日を下回っていることが判明した。
食品およびサプリメントの両方からの摂取を考慮すると、高齢者の20~25%で亜鉛摂取量が依然として不適正であることが判明した 。
アメリカ国立がん研究所 (NCI) のLeitzmann らは, 男性保健職約5万
人からなる Health Professional Fellow-Up Study によるコホート調査の結果, 亜鉛サプリメントを服用している男性に前立腺がんが発生する頻度
が高まるとの報告を発表した。
この報告によると, 100mg/日以上の亜鉛サプリメントを10年以上摂取している男性にその危険が高まるという。 前立腺は軟組織で最も多量の亜鉛を含んでいることが知られ, 前立腺内に蓄えられた亜鉛には, 重要な生理作用が秘められていると推測されている。
本例では著しい偏食を5 年以上継続していたことが判明し,特に牡蠣の多量摂取を継続していたことが特徴的であった.牡蠣可食部100 g 当たりの亜鉛含有量は13.2 mg である。
本症例では1 日平均300 g 程度(可食部)の牡蠣を摂取しており,牡蠣からの亜鉛摂取は約40 mg/ 日,また,プロセスチーズ,大豆,食パン,ヨーグルトにも100 g 当たりそれぞれ3.2 mg,2.0 mg,0.8 mg,0.4 mg の亜鉛が含まれており,合計亜鉛摂取量は約70 mg/ 日であった。
9) 24時間後には1万個ものウイルス
今さら聞けない「ウイルスと細菌と真菌の違い」
第25回血液学を学ぼう!
近畿大学病院 2017.3.27より抜粋
ウイルス粒子はひとつの細胞から約1000個作り出されるともいわれ、体内に侵入してから24時間後には1万個ものウイルスが発生する。
作成 2020/04/27
少し内容追加 2020/05/27